【業界データで解説】シルク原料の価格が高騰中
高級タオル市場との相性が高い理由

近年、シルク原料を取り巻く市場環境は大きく変化しています。
世界的に供給量が縮小する一方で、原料価格は長期的に上昇傾向にあり、シルクは「より希少で価値の高い素材」へと位置づけが変わりつつあります。本記事では、世界の生産量データと価格推移をもとに、なぜ今、シルク製品が高級タオル市場と相性が良いのかを、業界視点で解説します。
世界の蚕蛹(さんよう)生産量の推移
(単位:トン)
| 年次 | 世界合計 | 中国 | 日本 | インド | ブラジル | ウズベキスタン | ベトナム | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 851,008 | 637,805 | 135 | 151,787 | 3,006 | 23,997 | 6,543 | 27,735 |
| 2016 | 846,489 | 624,105 | 130 | 155,688 | 2,855 | 26,356 | 6,916 | 30,439 |
| 2017 | 866,339 | 643,020 | 125 | 161,684 | 3,039 | 12,480 | 7,355 | 38,636 |
| 2018 | 964,311 | 709,605 | 110 | 185,560 | 3,055 | 17,912 | 8,294 | 40,135 |
| 2019 | 979,882 | 717,100 | 110 | 185,143 | 3,047 | 21,374 | 11,855 | 39,300 |
| 2020 | 936,729 | 689,618 | 80 | 169,345 | 2,742 | 20,492 | 11,484 | 39,868 |
| 2021 | 987,856 | 716,792 | 62 | 187,241 | 2,300 | 22,746 | 16,046 | 42,850 |
| 2022 | 1,025,212 | 738,755 | 51 | 199,752 | 2,100 | 24,230 | 16,824 | 43,500 |
データから読み取れるポイント
- 世界の蚕蛹生産量の70%以上を中国が占めている
- 日本国内の生産量はほぼゼロに近く、象徴的な存在
- 世界全体では増減を繰り返しながらも、中国依存構造は変わっていない
つまり、シルク原料の供給は極めて限定的かつ一極集中型であり、供給リスクを内包した市場であることが分かります。
世界の生糸(きいと)生産量の推移
(単位:トン)
| 年次 | 世界合計 | 中国 | 日本 | インド | ブラジル | ウズベキスタン | ベトナム | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 196,304 | 169,160 | 23 | 20,478 | 481 | 1,721 | 981 | 3,460 |
| 2016 | 184,410 | 156,873 | 19 | 21,273 | 457 | 1,845 | 1,040 | 2,903 |
| 2017 | 170,965 | 148,427 | 20 | 22,066 | 486 | 874 | 1,103 | 3,985 |
| 2018 | 118,902 | 86,500 | 18 | 25,344 | 489 | 1,254 | 1,222 | 4,075 |
| 2019 | 97,322 | 64,084 | 18 | 25,239 | 488 | 1,500 | 1,778 | 4,215 |
| 2020 | 81,102 | 50,226 | 12 | 23,896 | 481 | 1,721 | 981 | 3,785 |
| 2021 | 80,729 | 47,551 | 10 | 25,818 | 373 | 1,800 | 1,067 | 4,110 |
| 2022 | 85,259 | 49,878 | 10 | 27,654 | 375 | 2,037 | 1,100 | 4,205 |
※2018〜2021年は、中国の大幅な減産により世界生産量が急減
データから読み取れるポイント
- 世界の生糸生産量は2015年比で半分以下
- 特に中国の生産量減少が、世界全体に大きな影響を与えている
- シルクは「量産素材」から「希少素材」へと位置づけが変化
蚕蛹購入価格の推移
(単位:元/50kg)
| 年 | 価格 |
|---|---|
| 2009 | 1,082 |
| 2010 | 1,551 |
| 2011 | 1,713 |
| 2012 | 1,785 |
| 2013 | 2,010 |
| 2014 | 1,836 |
| 2015 | 1,690 |
| 2016 | 1,950 |
| 2017 | 2,383 |
| 2018 | 2,269 |
| 2019 | 2,219 |
| 2020 | 1,740 |
| 2021 | 2,571 |
| 2022 | 2,421 |
| 2023 | 2,766 |
| 2024 | 2,811 |
価格推移の特徴
- 長期的に見て明確な右肩上がり
- 2021年以降は急上昇傾向
- 原料価格は今後も下がりにくい構造
業界の現場からの補足情報

なお、こうしたデータ背景に加え、先日、私どもの中国チームが「中国シルク協会」の理事会に参加いたしました。
当社グループ会社は同協会の理事企業として参画しており、理事会には1,000社を超える関連企業が出席しました。
会場には、養蚕・生糸・染料・縫製といった製造メーカーをはじめ、寝具、アパレル、化粧品、食品など、中国シルク産業のサプライチェーンを構成する幅広い業界関係者が一堂に会していました。
現地においても、原料供給の不安定さやコスト上昇は共通認識となっており、シルクが「価格ではなく価値で選ばれる素材」へ移行していることを、あらためて実感する場となりました。

ビジネス視点で見る「シルク×高級タオル市場」
原料価格上昇=高級市場との整合性
原料価格の上昇は、シルク製品が「安価な日用品」ではなく、
価値を理解して選ばれる高級素材であることを裏付けています。
価格ではなく“理由”で選ばれる商品へ
- なぜこの価格なのか
- なぜ他のタオルと違うのか
これらをデータで説明できることは、サロン・ホテル・小売バイヤーとの商談において大きな強みとなります。
日本市場における説得材料として有効
日本では国産シルクの実需がほぼなく、輸入依存は不可避です。だからこそ、「世界的な供給縮小と原料価格高騰」という背景を伝えることが、高価格帯商品の理解につながります。
LAYLASILKのようなブランドにとっての追い風

シルク原料を取り巻く市場環境は、価格競争ではなく価値競争を行うブランドにとって追い風です。LAYLASILKでは、天然シルクとマイクロファイバーを独自に組み合わせ、肌や髪への摩擦を抑えた「摩擦レス設計」のタオルを提案しています。
原料背景を正しく伝えることで、「高いから売れない」ではなく、「理由があるから選ばれる」商品としての立ち位置を、より明確にすることができます。
今後、シルク製品は「安く大量に使う素材」ではなく、品質・体験・価値を重視する市場で選ばれる素材として、ますます注目されていくでしょう。

